鼻のはたらき

鼻はいったい何のためにあるのでしょう?私たちは普段,鼻について目や耳ほどその役割について意識することはありません。けれど,鼻は私たちの身体を守る上で大切な役割を担っているのです。鼻は呼吸器官の一部として身体の最も入り口に位置しています。吸気によって空気はまず鼻を通りますが,このとき空気は鼻によって温度や湿度を調節され,浄化されます。例えば氷点下の空気や砂漠のような乾燥した空気がそのまま肺に達したら身体はひとたまりもありません。外気温が何度であろうとも空気は鼻を通過するほんの一瞬のうちに36℃近くに暖められ,また例えどれだけ乾燥した空気であろうとも一瞬のうちに90%に加湿されます。さらに空気中の細かいゴミや細菌,ウイルスなどが取り除かれ,外気による刺激から呼吸器官が保護されているのです。これほど高性能なエアコンディショナーや空気清浄機はほかにはありません。風邪をはじめとする鼻の病気によって,このような大切なはたらきが障害されたらどうなるのでしょうか?誰でも一度は鼻がつまって息ができず,のどをやられてしまったという経験をお持ちだと思いますが,冷たい空気,乾燥した空気,ゴミや微生物を含んだ空気はのどから肺の粘膜にとって大変有害です。咽頭炎や気管支炎,喘息発作などを反復する場合,もしかしたらそれは鼻のはたらきに問題があるのかもしれません。

鼻のもうひとつの大事な役割は嗅覚です。野生動物にとって食べ物をさがしたり,外敵から身を守る上で嗅覚はなくてはならない感覚であり,もしもこれを失ってしまったら到底生きていくことはできません。同様に自然界で暮らしていた頃の私たち人間の祖先にとっても嗅覚は大事な感覚のひとつであったと考えられます。今でも人間の嗅覚は意外に敏感で,1万種類ものにおいを嗅ぎ分けられると言われています。現代人にとって,嗅覚は生きていく上においてはそれほど大きな役割はないかもしれません。けれど,生活の質という面ではその役割はますます大きくなっていると言えると思います。鼻がつまると味が分からなくなり何を食べてもおいしくないものですが,嗅覚は味覚に密接に関わっているのです。香りを楽しんだり,おいしいものを味わったり,豊かな生活を過ごす上で嗅覚はなくてはならないものです。

 鼻は私たちの身体を守るために日夜休みなく働き続けています。これからの季節,ますます鼻の役割が大きくなってきます。目や耳同様,鼻を大事にしましょう!

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