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 急性中耳炎は小児期の代表的な病気のひとつですが,小児が中耳炎にかかりやすいのには理由があります。中耳は耳管と呼ばれるトンネルで鼻の奥とつながっています。この耳管は大人では傾斜していて中耳のほうが高い位置にありますが,小児では耳管が短い上にほぼ水平に近く,中耳と鼻がほぼ同じ高さになっています。このような構造的な問題に加えて,機能的な未熟さも加わって,鼻や咽頭で繁殖した細菌が容易に中耳に侵入してしまいます。その結果,化膿して中耳に膿がたまるようになった状態が急性中耳炎です。やっかいなことに大抵の場合夜間に発症し,眠れないほどの強い痛みが続きます。年長児は痛みを訴えるためすぐにそれとわかるのですが,乳幼児は痛みを訴えることができません。一晩中不機嫌な状態が続くときには,耳を引っぱったり髪をむしるようなしぐさが見られないか観察してみて下さい。治療は抗生物質の投与とともに,重症の場合には鼓膜に小さな穴を開けて中にたまった膿を吸い取る鼓膜切開という方法を併用します。これによって痛みを取り除くと同時に抗生物質の効きめを高め,また空気に触れさせて炎症を治まりやすくします。さらに採取した膿を検査して有効な抗生物質を選択することができます。切開するのは痛いからかわいそうという理由で切開をいやがられることもありますが,一晩中続く痛みに比べれば,本人にとってははるかに負担は小さいと思います。また,「切開したらクセになる」という方がいますが,それは誤解です。鼓膜切開には治癒を促すという大きな意味があります。切開したから中耳炎になるのではなく,小児の耳はもともとそういう性質を持っているのです。
ところで最近,PRSPやBLNARと呼ばれる薬剤耐性菌の出現により,急性中耳炎は非常に治りにくくなってきています。ほとんどの小児用抗生物質が効かなくなっており,いったん治まってもすぐにぶり返してしまいます。これらの菌による中耳炎はまだ免疫能の未熟な2歳以下の幼小児で,特に保育園児に多いという特徴が見られます。この菌が検出された場合には鼓膜切開とともに通常の2〜3倍の量の抗生物質を投与しますが,それでも治まらない場合には,中耳を持続的に換気する目的で鼓膜にチューブを挿入する方法が取られます。さらには,入院して抗生物質の点滴治療が必要になる場合さえあるのです。急性中耳炎といえば以前は比較的容易に治せる病気でした。ところが今では耳鼻科医がもっとも頭を悩ませる病気のひとつになってしまいました。風邪症状とともに不機嫌や耳さわりが続いたら,一度耳鼻科を受診することをお勧めします。